2021年夏は、台湾映画が大豊作ですね!

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どれが一番などと選べないくらい、粒揃いの台湾映画がこの夏、日本で続々と公開になりますね。
もじもじしてしまうほどおすすめなので、たいへん僭越ながら、公開予定順にご紹介させてください。

6/25公開『1秒先の彼女』(原題:消失的情人節)

人よりワンテンポ早い彼女とワンテンポ遅い彼。ちょっとの“時差”から生まれる、​誰も観たことのないラブストーリー。

日常に欠かせない郵便局、かわいいヤモリ、動きがズレてしまう朝の体操(大豆田とわ子と言い、『朝の体操』が来てるのでしょうか?)、鍋に新竹ビーフン・・・

これぞ!な台湾の魅力全開。
どんなにダメな自分でも、愛おしくなってしまうような独特の後味も最高でした。

6/25公開『1秒先の彼女』(原題:消失的情人節)

2021年6月25日 新宿ピカデリーほか 全国ロードショー
公式サイト:https://bitters.co.jp/ichi-kano/

7/23公開『親愛なる君へ』(原題:親愛的房客)

愛するが故に言えないことがある
間借り人は少年にとって“もうひとりのパパ

立ちはだかる偏見。泣いて笑って、血の繋がりを超えた家族の絆をつむぐ物語”

台湾北部最大のポートシティ・基隆を舞台に、亡き恋人の母親と息子を住み込みで世話する同性愛者を描いた作品。
とにかく映像が美しくて、哀しみややるせない想いが込み上げてきます。

私がシングルマザーだったころ、長男が時折この男の子と同じような表情をしていました。個人的にかなり好きな作品。

偏見の塊のような質問をされた主人公が「もし僕が女性だったら(中略)そんな質問をしますか?」という台詞は、きっとたくさんのトランスジェンダーが何百回と言いたくなっただろうなと思わされました。同時に、自分がこれまでに誰かに対してそういった言葉をかけていたのかもしれないと思うと、胸の奥がぎゅっと締め付けられる思いでした。

↓ 雑誌『Pen』のOnlineでもご紹介させていただきました(画像クリックで記事にリンクします)。

『親愛なる君へ』(原題:親愛的房客)<

7/23公開『親愛なる君へ』(原題:親愛的房客)

2021年7月23日 シネマート新宿、ヒューマントラストシネマ有楽町、アップリンク吉祥寺、横浜ジャック&ベティ(8/28)ほかロードショー
公式サイト:http://filmott.com/shin-ai/

7/30公開『返校 言葉が消えた日』(原題:返校)

自由が罪と教えられた時代、あなたなら、どう生きましたか?

『悲情城市』や『牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件』に続く、
白色テロ時代を描いた衝撃のダーク・ミステリー

オードリー・タンさんや台湾社会について寄稿や執筆をさせていただくことが多くなってから、常にお勧めしまくっている作品です。
台湾がなぜこんなに政治や社会、民主主義に対してこんなに意識が高いのか、その背景のひとつがこの白色テロ時代と言えると思います。

中国語版のキャッチコピーは日本語にすると「忘れたの? それとも思い出したくない?」。

この作品を通して、一人でも多くの方に今は空気のように存在している「自由」が当たり前のものではないと、そしてそれは台湾だけでなく日本ももはや他人事ではないと、感じていただけたら幸いです。

雑誌『世界(岩波書店)』への寄稿では、この映画の監督・徐漢強さんにインタビューさせていただきました。
「台湾人の「民意」とカルチャー――ミリオンヒット映画『返校』にみる台湾人アイデンティティの行方」
こちらもご興味お持ちいただけましたら、ご覧いただけたら嬉しいです。

7/30公開『返校 言葉が消えた日』(原題:返校)

2021年7月30日 TOHOシネマズシャンテほか全国ロードショー
公式サイト:https://henko-movie.com/

7/31公開『日常対話』(原題:日常對話)

カメラの前なら、「言える」「聞ける」こともある

台湾発・娘がカメラを手に母の本音に迫る、
入魂のドキュメンタリー!

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ホアン・フイチェン監督が、レズビアンである自らの母アヌとの間にあるわだかまりに対峙するドキュメンタリー映画。
渾身の、だけどとても静かなドキュメンタリーでした。最後は感謝したくなる気持ちになります。

↓ こちらは感想をブログに書いてみましたので、もしよろしければどうぞ。
母娘のわだかまりを監督自らが描く、唯一無二のドキュメンタリー映画『日常対話』

2021年7月31日 ポレポレ東中野にてロードショー
公式サイト:https://www.smalltalktw.jp/

この夏じゃないんですが、ぜひ観ていただきたい作品たち

2021年2月からNetflixで独占配信『弱くて強い女たち(原題:孤味)』

音信不通だった父親が亡くなり、遺された母と娘たち。自分たちの知らない父の暮らしと死の現実に向き合うことになった家族の葛藤を描いたヒューマンドラマ。

ビビアン・スーが出演だけでなくプロデュースにも加わった『孤味(邦題:弱くて強い女たち)』は、女性の繊細な心の変化をていねいに映し出した作品。

台南発祥の蝦卷(揚げたエビ巻き)や、文学者が集う名喫茶、明星珈琲館のロシアンマシュマロといった台湾グルメも登場します。
蝦卷の屋台からはじめて、のちに台南を代表するレストランになるまでに発展させ、プライベートでは女手ひとつで娘三人を育てたお母さんに、思わず感情移入してしまいます。

↓ 雑誌『Pen』のOnlineでもご紹介させていただきました(画像クリックで記事にリンクします)。

台湾映画弱くて強い女たち(原題:孤味)

さらに、雑誌『&Premium』の朝ごはん連載でも蝦卷(揚げたエビ巻き)を紹介させていただくほどののめり込みようです。

2021年2月からNetflixで独占配信『弱くて強い女たち(原題:孤味)』

2021年2月5日よりNetflixにて全世界独占配信
Netflix公式ページ:https://www.netflix.com/tw/title/81312527

2020年秋『私たちの青春、台湾』(原題:我們的青春,在台灣)

台湾ひまわり運動のリーダー、人気ブロガーの中国人留学生、そしてドキュメンタリー映画の監督の私が、台湾、香港、中国でみつけた“私たち”の未来への記録

「ひまわり学生運動(原名:太陽花學運)」は、2014年3月18日から23日間に渡って続いた民衆による大規模な抗議行動で、日付にちなんで「三一八学生運動」とも呼ばれています。デモの名称に「学生」とありますが、決して学生だけではなく、台湾で1980年以来最大規模のデモというくらい、大きな出来事でした。

『私たちの青春、台湾』は、その「ひまわり学生運動」の内部映像を残したドキュメンタリー映画で、中心人物の一人の陳為廷、中国大陸から台湾の大学に留学中の人気ブロガー・蔡博芸に、1982年生まれの女性監督・傅楡(フー・ユー)が密着したものです。

ニュースなどでも報道されることのなかったかなり貴重な映像で、私も観ていて思わずびっくりしました。

「ブラックボックスを拒絶せよ」というスローガンを掲げて政府に透明性を求める反面、デモ隊自身も人を寄せ付けない密室で戦略会議を行うという矛盾。デモが思いもよらぬ規模に発展し、中と外のコミュニケーションが取れずに分断されていく焦り。
前に進まず、空中分解する議論。民主主義の脆さ、難しさがじりじりと伝わってきました。

2020年秋『私たちの青春、台湾』(原題:我們的青春,在台灣)

2020年10月31日(土)よりポレポレ東中野ほか全国順次公開
公式サイト:http://ouryouthintw.com/

※この作品に出てくる陳為廷は、「ひまわり学生運動」の中心人物の一人だったのですが、その後選挙に立候補した際、過去に痴漢の常習犯であったことが明るみになっています(結果は起訴猶予処分)。
この作品がドキュメンタリーであり、テーマが「ひまわり学生運動」や民主主義の難しさであることに異論の余地はありませんが、後半部分では陳為廷が自身の痴漢行為について言及する場面があることを、あらかじめお伝えしておきたいと思います。

2019年冬『幸福路(こうふくろ)のチー』(原題:幸福路上)

あの日思い描いた未来に、私は今、立てているーー?

世界各地の映画祭を席巻し、台湾映画史上初の快挙を続ける傑作アニメーション。

歴史も文化も異なる観客が
「これは自分たちの物語」と絶賛。

アメリカに渡り結婚した主人公が、大好きなおばあちゃんの死がきっかけで葬儀のために台湾に戻り、自分のアイデンティティを探し始めるお話。

台湾に今でも残る人の温かさ、風景、料理、台湾語…見ていて温かい気持ちになれる一方で、台湾やそれを取り巻く世界の情勢が散りばめられているのでなかなか考えさせられる作品でもあります。
何回も見返したくなったので、DVDを買いました。

このインタビュー面白かったです。
「台湾版『ちびまる子ちゃん』を作りたかった」気鋭の女性アニメ監督に聞く(此花わかさんご執筆)

2019年冬『幸福路のチー』(原題:幸福路上)

映画は上映が終了していますが、なんと日本語版のブルーレイ&DVDの発売が決定、DVDレンタルや各種プラットフォームでの配信も決定されたそうです。嬉しいですね!(詳しくはこちら
公式サイト:http://onhappinessroad.net/


以上、駆け足でお送りしましたが、ご興味のある作品は見つかりましたでしょうか?

あくまで私個人の感想ではありますが、ご参考になれば幸いです。また、私の視点が行き届かない点があるかもしれません。その際には、お手数ですがぜひお知らせいただけたら嬉しいです。

台湾映画、本当に目が離せないですね。一緒に楽しんで行けたら嬉しいです!

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