日本にも欲しーい! 台湾、産後の習慣「坐月子(ズオ ユエズ)」

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中華圏の文化「坐月子」

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私が利用した坐月子センター
中華圏では、産後1カ月間くらいの期間に母親がしっかりじっくり静養する「坐月子(ズオ ユエズ)」と呼ばれる習慣があります。ちょうど日本の「産後の肥立ち」をケアするのと同じような概念です。
冷たいものを食べない・飲まない、外出したらダメ、髪の毛を洗わない、「麻油鶏」という薬膳スープ(人によっては口に合わないらしい)を毎日飲む…などと、古くから伝わる決まりがたくさんあります。

「坐月子(ズオ ユエズ)」をすれば更年期が楽になる!?

これをしっかり守って過ごせば、更年期が楽に過ごせると信じられているようです。実際、私の母親くらいの年齢の女性と話していると、「月子はちゃんとやりなさい、私は科学的な根拠がないからってやらなかったんだけど、今になって後悔しているわ」と言われることが少なくありません。
台湾人女性だけでなく、男性も産後の女性が「坐月子(ズオ ユエズ)」をすることは当たり前だと思っています。
産婦人科でも産後の「坐月子(ズオ ユエズ)」はどこでやるのか聞かれます。それくらい一般的な習慣です。

核家族化により「坐月子(ズオ ユエズ)」関連のビジネスが台頭

「坐月子(ズオ ユエズ)」は昔から、自宅で産婦の母親が行うものでした。ただ、近年では核家族化が進むうち、「月子センター(月子中心)」という、ホテルのような施設が登場、利用する人も増えてきました。
そのほかにも「産後ケアシッター(月子保母)」の自宅への派遣、「産後ケア専用の食事(月子餐)」の宅配サービスなど、様々なビジネスがあります。

この記事の目次

メモ:月子と坐月子、何が違うの?

  • 月子(ユエズ) ← これは名詞として使われて、産後ケアを行う習慣や期間を表します。
  • 坐月子(ズオ ユエズ) ← 「坐(ズオ)」これは産後ケアを”行う”という部分に当たる動詞で、動かないでゆっくりじっと座る様子を表します。
    「坐月子(ズオ ユエズ)」全体で慣用句としても使われています。

「月子中心(産後ケアセンター)」ってどんな施設?

今回はこのブログを見てくださっている方に最もニーズがあると思われる、この「月子中心(産後ケアセンター)」について、多めにご紹介してみたいと思います。

月子中心(産後ケアセンター)の主なサービス

  • 「産後ケア専用の食事(月子餐)」一日5食(3食+おやつ+「麻油鶏」などの薬膳系スープ)、栄養ばっちりの食事が提供される。
  • 赤ちゃんの面倒は資格を持った看護師が見ていてくれて、授乳の時だけ赤ちゃんが部屋に届けられる。
  • 会いたい時は新生児室に行けばいつでも会えるし、施設によっては部屋からモニターで見ていられる。
  • 希望すればいつでも母子同室が可能。
  • 育児に関する母親教室や、ヨガレッスンなども開催される。
  • ダンナさまは宿泊も可能、お友達なども面会時間内に招待できる、等

私も初めはびっくりしましたが、夢のような施設ですよね。

私が次男の出産時に利用した月子中心(産後ケアセンター)の写真

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ホテルのようなお部屋でママはゆっくり休めます
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栄養士により設計された1日3食+2回のおやつの「月子食」でたっぷり栄養を補給します
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新生児室で看護師さんたちが24時間体制で赤ちゃんのお世話をしてくれます
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「お腹が空いているみたいなので、お部屋に連れて行ってもいいですか?」と聞かれてOKすると、看護師さんが赤ちゃんを連れて来てくれて授乳します。
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産後マッサージも受けられます
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美容師さんが派遣されてきてシャンプーもしてくれます

「月子中心(産後ケアセンター)」の種類

  • 病院併設
    病院との連携がウリです。
  • 独立(一棟まるごと/ビルの1フロアまるごと)
    立地が便利、景色が良いなど他のセールスポイントがあります。産婦人科・小児科と提携していて、何かあったらすぐ対応できるようにしてあります。

また、一般的に「月子中心(産後ケアセンター)」と呼ばれる施設には「坐月子中心」と「產後護理之家」があり、衛福部の許可を得ている合法な業者は「產後護理之家」となります。ただ、便宜上施設名を「月子中心」としている施設もあるので、公式サイトなどでその施設が「產後護理之家」のライセンスを持っているか確認すると良いでしょう。その場合はライセンスの期限が切れていないかも注意して見てくださいね。

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また、施設により「産後ケア専用の食事(月子餐)」に違いがあります。私が出産した台安病院付属の月子センター「臺安醫院產後護理之家(Postpartum Nursing Home)」
も見学させてもらいましたが、こちらは「素食(=ベジタリアン)」の食事でした。もしお肉が食べたいようでしたら、素食じゃない施設を選びましょう。

「月子中心(産後ケアセンター)」の費用

また、私が長男を出産した時は1泊5,000元(=約18,500円)くらいからでしたが、最近では1泊8,000元(=約29,600円)くらいが普通になってきました。
*円は3.7で計算してます。
グレードも色々あって、ホテル同等のところもあれば、アットホームな施設もありますので、価格帯もそれによって異なります。
また、入る期間は人によってそれぞれですが、だいたい2週間くらいから一カ月くらいまでが一般的です。

長男&次男の出産時、私も利用しました!

長男の出産時

私もちょうど出産&産後に入るタイミングは、前の夫が一年でいちばん忙しい時期でした。
そこで3週間だけですが、「月子中心(産後ケアセンター)」に頼ろうということになりました。
台安病院ではなくて、家から近いところに入ります。台安の座月子センターを含め、3軒だけ下見をしてから決めました。これをご褒美に、出産を頑張ったと言っても良いでしょう。笑

▼体験ブログもよろしければどうぞ!
最高♥産後の施設「月子中心(月子センター)」レポート

本当にこの施設がなかったら、頼れる親戚もいない私の台湾での出産、大変なことになっていたと思います。
月子をすると、女性の更年期も軽減されるという噂も♡日本にもあったらいいのにー!

次男の出産時

中国語が全くできなかった長男出産時とは異なり、次男出産の際にはより深いコミュニケーションができたので
月子センターをもっと堪能できました。
▼体験ブログもよろしければどうぞ!
日本語OK、兄弟立ち入りOKの月子中心(産後ケアセンター)が台北に!「賀果悅兒 YOURBABY」

「月子中心(産後ケアセンター)」はどうやって探すの?

「月子中心(産後ケアセンター)」のポータルサイトを作ってみました。

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全台湾の月子中心がエリアや条件から探せるWebサイトです
自分が施設を探すときに情報がなくて困ったので作ってみました。認可も否認可もまとめて掲載しています。
トップビジュアルは自分の息子を素材として使うという手弁当ぶりです。

安心坐月子 http://www.moms-care.com.tw/← 2018年5月、会社を辞めた時に泣く泣く閉鎖しました。

「月子中心(産後ケアセンター)」が検索できるサイト「產後護理之家(坐月子中心)特刊」

http://www.healthcity.net.tw/special/care_house/care_house_list.asp
台北市政府衛生局のサイトで、認可されている「月子中心(産後ケアセンター)」が検索できるサイトです。
私はここでチェックしてから、いくつか内覧させてもらってから決めました。

経験豊富な「産後ケアシッター(月子保母)」の自宅への派遣

シッターさんは自宅まで来てくれて、赤ちゃんとお母さんの産後ケア(坐月子)のお世話をしてくれるサービスです。
台湾で「産後ケアシッター」は「到府月子保母」と呼ばれており、産後ケアシッターの派遣会社がいくつもあるので、そこから頼むのが一般的です。
日本など比較的距離の近い海外に嫁いだ台湾人が、台湾に帰って出産する場合は「月子中心(産後ケアセンター)」に入ったりできますが、アメリカやカナダなど、妊婦にとって移動が負担になるくらい距離がある場合だと、このシッターさんをそこまで派遣することも多いそうです。

「産後ケアシッター(月子保母)」の派遣費用は?

一日あたり9時間(1時間の休憩含む)で2,200〜2,500元程度が一般的のようです。
泊まり込みで24時間というものもあり、台湾人にはこちらの方が人気のようです。この場合は 3,200〜3,500元/1日(2時間の休憩を含む)という感じでした。

次男の出産時、私も利用しました!

次男を出産した際には長男も小学校に上がっていてある程度生活リズムができていたので、自宅でみんなの生活と合わせやすいシッターさんの派遣という形で産後ケアを行いました。
結果的にめちゃくちゃ良かったです。「月子中心(産後ケアセンター)」とはまた違ったメリットがあるなと思いました。

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産後ケアシッターさんが作ってくれた食事はこんな感じです(めっちゃ美味しい)

▼体験ブログもよろしければどうぞ!
これまた最高♥「産後ケアシッター」による自宅での月子(ユエズ)体験談

産後ケア専用の食事「月子餐」の宅配サービス

私は利用したことがありませんが、産後ケア専用の食事「月子餐」を自宅まで宅配してくれるサービスも普及しています。
利用したことはないものの、台湾で「月子餐デリバリー」の業者を比較できるポータルサイトを運営していたことがあるので色々事情が分かって面白かったです。

例えば、「月子餐デリバリー」の業者には大きく分けて2種類があります。

  • 「月子中心(産後ケアセンター)」のセントラルキッチンがデリバリーサービスも行っているもの
  • 「月子餐デリバリー」専門業者

どちらもたいていの場合、妊婦さんを対象にした試食サービスがあります。試食は数百元/一食と、有料の場合が多いです。
妊婦さんを対象にしているというところがすでに見込み顧客以外は相手にしていない感じで効率良さそうですね。台湾人らしさを感じてしまいます。

「月子餐」のデリバリー費用は?

だいたい一日あたり1,500〜2,500元くらいです。
試食費用は200〜高くても600元くらいでしょう。

一日三食ですが、お届けが一日一回まとめての場合と、三回に分けての配送と、業者によって異なります。
業者ごとに、容器が陶器製で毒性がないとか、どんなクオリティの材料を使用しているといったアピールポイントが異なります。

台湾の産後ケア「月子」に興味があるなら「國際婦幼用品大展」へ行ってみよう

いかがでしたか?
台湾の産後ケア「月子」に興味が湧いてきたら、台北・台中・高雄など、各地で行われている「國際婦幼用品大展」へ行ってみると良いかもしれません。

なぜならここには今回ご紹介した産後ケアセンター、シッター派遣会社、月子餐デリバリー業者など、月子関連の業者が一堂に会するうえ、このイベントでしか手に入らないお得な特売価格やチケットを出してくるからです。

台湾で出産と産後をお過ごしになる皆さまの産後生活が少しでも快適なものになりますように!

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